人事総務部 人事課

わたしたち人事課が目指しているのは、家族との時間を大切にしながら、誰もが安心してキャリアを築ける環境づくりです。「仕事か生活か」という二者択一ではなく、「どちらも」選べる職場へ。そのためにわたしたちは、制度の整備だけでなく、それが当たり前に使える「職場風土の醸成」の両面から支援に取り組んできました。ここでは、わたしたちが進めてきた取り組みと、その結果として現場に生まれた変化を振り返ります。
「実績ゼロ」からの挑戦。人事課とリーダーが変えた職場の空気
2020年まで、ナガセヴィータの男性社員の育休取得率はほぼゼロに近い状況でした。 「男性が育休を取る」という選択肢がまだ職場になじんでおらず、どこか自分ごととしてとらえにくい空気があったのです。
この状況を変えるため、わたしたちは「次世代育成支援対策推進法」に基づく行動計画を策定し、まずは全社的な意識改革から着手しました。男性が育休を取得する意義やメリットをわかりやすく伝えるリーフレットの配布、オンライン研修の実施、そして気軽に相談できる窓口の設置など地道な周知活動を重ねた結果、2021年度の男性育休取得率は36%へと大きく伸長しました。
取り組みを進めるなかで、管理職の方から「制度についてくわしく知りたい」「部下が取得する場合の対応を相談したい」といった声が寄せられるようになりました。それぞれの相談に丁寧に向き合い、制度の理解や不安への対策をともに検討する。こうした対話を重ねる中で、多くの管理職が育休取得を前向きにとらえるようになり、自ら育休を取得するリーダーも現れました。
影響力の大きい彼らの行動は、職場に安心感を広げるロールモデルとなり、現在では男性の育休取得率は64%まで向上しています。かつては「特別なこと」だった男性の育休は、今や誰もが安心して選択できる「当たり前」のものとなりつつあります。
育休で得た家族との深い時間 、それを叶えた「支え合う文化」
わたしたちの取り組みが、社員一人ひとりの選択を後押しできた──。そう実感できるエピソードの一つが、40代管理職・Oさんの事例です 。第二子の誕生を機に育休を取得したOさん。その決断の背景には、第一子のときの「後悔」があったといいます。「当時はコロナ禍という厳しい状況もあり、育児に奮闘する妻の姿を見守ることしかできませんでした。だからこそ、今回は、家族と過ごすかけがえのない時間を逃したくないという強い想いがあったんです」 これは、復帰後に彼が語ってくれた言葉です。
育休取得の意向をOさんが上司に伝えた際、かけられたのが 「一人が欠けただけで回らなくなる組織ではいけない。心配しなくて大丈夫」 という言葉。これは、わたしたち人事課がこれまで伝えてきた考え方が職場に根づいてきたことを象徴するものでした。この一言により、Oさんの不安は安心感へと変わったそうです。
育休中、当初は職場の状況が気になることもあったそうですが、業務が滞りなく進んでいることがわかってからは、育児に専念できるようになりました。それを可能にしたのは、日頃から「業務の標準化」や「属人化の防止」に、Oさんのチームが取り組んでいたからです。育休の取得は、結果としてチーム全体の柔軟性をより高めるきっかけにもなりました。
「第二子には 『パパ見知り』がありませんでした」深く育児に関わった時間を、Oさんはそう振り返ります。現在もOさんは、フレックスタイム制や時間単位の休暇制度を活用しながら、家庭の時間を確保しています。「家族との時間を大切にしながら、集中して成果を出す。そのメリハリを意識したい」この姿勢は、育休を取得する社員へのメッセージにもなっています。
誰のどんな「選択」も尊重される職場へ。わたしたちが目指すこれから
わたしたちが推進する両立支援は、育児に限ったものではありません。介護や病気の治療など、人生にはさまざまな予期せぬ変化が訪れることもあります。どのような状況にあってもキャリアをあきらめることなく働き続けられるよう、休暇制度の見直しなど、さらなる両立支援を進めています。
大切にしているのは、社員一人ひとりが自分に合った働き方を主体的に選び、その選択を周囲が当たり前に支え合う文化。人生には、それぞれが大切にしたいものや、向き合うべき課題があります。何を大切にするかを見定め、悔いのない選択をしてほしい。わたしたち人事課は、そうした一人ひとりの選択が尊重される風土を社員とともに育みながら、誰もが自分らしいキャリアを歩み続けられる職場づくりを、これからも支えていきます。
