3年間アメリカで研究した先輩に、
若手4人が聞いてみた

3年間アメリカで研究した先輩に、若手4人が聞いてみた3年間アメリカで研究した先輩に、若手4人が聞いてみた

3年間のアメリカ派遣から帰国した先輩研究員を、若手4人が囲み本音で語り合う座談会です。
インタビューだけでは語りきれなかった現地のリアル、成果を支えた日々の習慣。
そして若手が抱くキャリアへの不安にも触れています。

Y.T.さん

【研究・技術系職種】研究開発

Y.T.さん

2023年度入社

工芸科学研究科 応用生物学専攻

K.H.さん

【研究・技術系職種】研究開発

K.H.さん

2025年入社

農学研究科 生命機能学専攻

S.O.さん

【研究・技術系職種】研究開発

S.O.さん

2025年度入社

理工学研究科 理工学専攻​

T.M.さん

【研究・技術系職種】研究開発

T.M.さん

2022年度入社

農学研究科 食品生物科学専攻

Index

Q1

組織のカルチャー

「ミーティングの最後は、必ずポジティブに締める」
T.M.T.M.

インタビュー記事を拝見して、アメリカでの研究スタイルや文化の違いが印象的でした。海外の研究スタイルで取り入れたい!大切にしたいと感じた部分はありますか?

N.K.N.K.

向こう(パデュー大学)でのミーティングのスタイルは非常にいいなと感じました。日本だと各自パソコンを持ち込むことが多いですが、向こうではノート1冊だけもって、1つのモニターを全員で見るんです。 そして、何より雰囲気がポジティブ。「ここは間違っている」という厳しい議論があっても、最後は必ず「間違いはあったけど、全体としてはよく進んでいるよね」という空気で締めくくられる。それがすごく大事だなと思いました。そういう寛容さは、わたしたちの研究所でも大切にしていきたいですね。

組織のカルチャー
Q2

企業の可能性

「大学と企業、研究の自由度はどちらが高い?」
企業の可能性

パデュー大学 研究室

K.H.K.H.

大学で研究を続けるか、企業へ行くか。就活生も迷うポイントだと思います。企業で研究することのよさはどこにあると感じますか?

N.K.N.K.

一般的には大学の方が自由と言われますが、わたしがいたリサーチセンターは研究費(グラント)と課題にかなり縛られていて、実は自由度はそんなに高くありませんでした。 一方で、ナガセヴィータは「将来的に価値につながる」とみんなが納得できれば、挑戦させてもらえる余地が大きい。正式なテーマとして挙げる前の「数ヶ月だけ試しに実験してみよう」というステップが気軽にできる。「絶対にこれをやりたい」という強いテーマがある人だけでなく、いろいろ試してみたいというタイプの人にも、企業のほうが向いているかもしれません。

Q3

マインドセット

「壁を乗り越えられたのは、語学力でも専門性でもなかった」
Y.T.Y.T.

海外で壁にぶつかったとき、乗り越えられた一番の要因は何だったと思いますか? 語学力、研究の専門性、それとも性格でしょうか。

N.K.N.K.

一番は、結局のところ性格ですね(笑)。最初は英語も専門用語もわからない。でもそれを「そんなものだ」と受け止めて、「毎日やっていれば、半年たてばわかるようになるだろう」という楽天的な気持ちをもっていました。
正直なところ、毎日「これをやっていて意味があるのか」と思う瞬間はありますが、1ヶ月では結果は見えない。「決めたことはやる」と腹をくくって続けるしかないと思っていました。

S.O.S.O.

派遣中の限られた期間で結果を出すために、実務面で心がけていたことはありますか? 3年という時間は、ゼロからのスタートを考えると長くはないと思うのですが。

N.K.N.K.

まず、大きな目標とざっくりしたタイムラインを自分の中に持っていました。「最初の1年で方向性を探り、2年目と3年目で1本ずつ論文を書く」というイメージです。方向性が見えてからは、あとは淡々とやるだけでした。具体的には、「平日の夜9時から12時までは必ず自分のためになることを何かをする」と決めて習慣化していました。内容はその都度考えますが、その時間は勉強でも論文読みでも、必ず椅子に座って何かをやる。
自分は、実験や論文を書くことが特別好きだからやっているわけではないんです。「やると決めたから、やる」モチベーションに頼らずに、日々の行動に落とし込んで習慣にする。そこは少しストイックだったかもしれません。

マインドセット
Q4

ネットワーク

「帰国後も続く関係を、どうやってつくったか」
研究室の友人の卒業式で。仲の良いラボ友達で集まりお祝いしました

研究室の友人の卒業式で。仲の良いラボ友達で集まりお祝いしました

大学構内でハロウィンイベント、教授とも家族ぐるみの付き合い

大学構内でハロウィンイベント、教授とも家族ぐるみの付き合い

T.M.T.M.

研究そのもの以外で、現地でのネットワークを広げるために心がけていたことはありますか?

N.K.N.K.

意識していたのは、プライベートも含めてどれだけ仲良くなれるかです。滞在中だけで終わらず、帰国後も相談したり、一緒にコラボレーションしたりできる関係をつくりたいと思っていました。

K.H.K.H.

具体的には、どのような交流をされていたんですか?

N.K.N.K.

毎週末のように自分から「遊びに行こう」と誘ったり、家に招いたり。逆に誘われたときは予定が合う限り必ず行きました。実は妻がコミュニティづくりに積極的で、教授に「一緒に旅行へ行きましょう」と提案したり、ハロウィンパーティーを企画したりしてくれました。 そのおかげで、いろいろな国の研究者と家族ぐるみの付き合いができました。そこで仲良くなったポスドクのメンバーは、今では世界中の大学や機関でポジションを得ています。「日本に帰ってからも続く関係」をつくれたことは、今後の共同研究などの面でも非常に大きかったと思います。

Q5

キャリアとプライベート

「海外派遣とライフイベント、不安に思ったら」
Y.T.Y.T.

若手から「海外に行きたいけれど、将来のライフイベント(結婚や育児など)が不安」と相談されたら、先輩としてどんな言葉をかけますか?

N.K.N.K.

これは本当に難しいです。「あまり考えずに行ってみようよ」とは軽々しく言えません。 だからこそ、最終的には本人に決めてほしい。「行かなかったことを後悔するか」「行くことで手放すものと、納得して向き合えるか」をよく考えて選んでほしい。

S.O.S.O.

優先順位を決めるしかないですよね。その時点で自分が一番大事にしたいことは何か、という。

N.K.N.K.

そうですね。人によって状況も価値観も全然違うので、共通の正解はない。ただ、こちら側としては、機会を奪うことは絶対にしたくない。フラットにチャンスを提供した上で、本人が選んだ道を誠実に支えられるようにしたいと思います。

キャリアとプライベート

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