長瀬産業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:朝倉 研二、以下「長瀬産業」)とNAGASEグループの中核製造会社・ナガセケムテックス株式会社(本社、大阪市西区、代表取締役社長:藤井 悟、以下「ナガセケムテックス」)、株式会社林原(岡山市北区、代表取締役社長:安場 直樹、以下「林原」)は、従来品と同等以上の吸水性能(※1)を有しながら、バイオ由来原料の比率を高めた高バイオマス度の高吸水性ポリマー(SAP)の共同開発に成功いたしました。2025年度以降の上市を目指し、今後は量産技術の確立と生産体制の構築を進めてまいります。ナガセケムテックスが製造を手掛け、長瀬産業が国内外に向けて販売いたします。
SAPは高い吸水性能を有する高分子材料で、紙おむつを中心にナプキンなどの衛生用品や、農業、緑化分野や化粧品など幅広い分野で使用されています。従来品はアクリル酸を主原料としたポリアクリル酸系のSAPが主流であり、石油由来かつ非生分解性であることから環境負荷が大きいという課題があります。これに対して、環境負荷の少ない天然由来かつ生分解性を有するSAPとして、天然高分子である澱粉やセルロースなどの多糖類を主原料としたSAPの研究開発が行われてきましたが、十分な吸水性能が得られず、最終製品としての活用は難しいとされていました。
NAGASEグループは、澱粉構造を酵素変換することで吸水特性が大きく変化することに着目。林原の有する酵素技術と、ナガセケムテックスの樹脂製造技術を掛け合わせ、澱粉を主原料としながらも、SAPとしての吸水性能を最大限に引き出すことに成功しました。
本開発品は、バイオ由来・生分解性(※2)による環境負荷低減に貢献するもので、環境対応製品の開発に注力する企業や自治体などに向けた販売を想定しています。また、新たなサステナブル市場の創造に向けたソリューション提案に取り組んでまいります。
NAGASEグループは、バイオテックカンパニーとして、サステナブルな社会への貢献を通じて「人々が快適に暮らせる安心・安全で温もりある社会の実現」を目指します。
※1:生理食塩水の吸水性能は本開発品に優位性を確認(下図2)
※2:グレードによって生分解の速度が異なります
■図1:共同開発の概念図
■図2:他社品の生分解性SAP、従来品のポリアクリル酸SAPとの比較
<生理食塩水の吸水性能・保水性能>
吸水量:SAP 1g 当たりの生理食塩水の吸収量(g) 【JIS K 7223-1996 準拠】
保水量:吸水試験後、吸水したSAPを、遠心力150Gで90秒間脱水した後の保水量
⇒他社品の生分解性SAP、従来品のポリアクリル酸SAPに比べ、高い塩水吸水性能を示した
<比較画像>
◆本件に関するお問い合わせ先
<開発品に関するお問い合わせ>
長瀬産業株式会社 カラー&プロセシング事業部 企画推進室
TEL:03-3665-3315
<報道機関お問い合わせ>
販売:長瀬産業株式会社 サステナビリティ推進本部 広報・ブランディング室
TEL:03-3665-3640 https://www.nagase.co.jp/
開発・製造:ナガセケムテックス株式会社 経営企画本部 経営企画室
TEL: 06-6535-2582 https://www.nagasechemtex.co.jp/
開発:株式会社林原 経営デザイン部
TEL.:086-224-4315 https://www.hayashibara.co.jp/