1997年より続く分野横断型の科学集会 「第25回トレハロースシンポジウム」を開催 ~トレハロースで導くサステナブルな未来~

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このたび、NAGASEグループの株式会社林原(本社:岡山市北区 代表取締役社長:安場直樹 以下、「林原」)は、2023年11月2日に「第25回トレハロースシンポジウム」(林原主催、日本応用糖質科学会後援)を東京で開催いたしました。

今回のテーマは「トレハロースで導くサステナブルな未来」。新たな治療として期待される、高濃度トレハロース処理した線維芽細胞を利用の3次元培養・真皮シートの研究や、幹細胞保存液の開発の他、ヘアケア剤、飼料用途での活用、トレハロース系化合物の生理機能など、幅広い研究内容についての発表がありました。中でも、マサチューセッツ工科大学のマレリ准教授の「耕作不適地における農業を可能とするトレハロースを配合した種子コーティング技術」と題した発表では、持続可能な農業食料システムのイノベーションとして開発した種子処理技術が紹介されました。処方に配合されたトレハロースとシルク蛋白の組み合わせという天然物素材の相乗効果により、高ストレスに晒されている耕作不適地においても、種子発芽を助長することが確認され、近年の気候変動の課題に対応した作物収量や品質の向上、有益な根圏形成にもトレハロースは貢献することが示されました。

さらに総合討論会では、会場参加者も交えながら演者たちによる意見交換が行われました。その中で、トレハロースの多面的機能にはまだ解明されていないメカニズムが多くあることから、それらの基礎研究が進むことで、よりターゲットを絞った応用研究に発展する可能性についても言及されました。

また、今回は、積極的な意見交換の場としてイブニングセッションを4年ぶりに企画し、メインシンポジウムの内容についてポスターを使って活発な議論が繰り広げられました。

当社は創業140年を機に、2024年4月より「林原」から「Nagase Viita」に社名を変更いたしますが、持続可能な社会への貢献につながることを目指し、今後も本シンポジウムの開催を続けてまいります。

■シンポジウムの詳細については こちら

■過去演題一覧は こちら

◆トレハロースシンポジウムとは?
トレハロースに特化した研究発表会として1997年に発足。以来25年以上に渡り、トレハロースに関する研究活動を広く発信し、発展させることを目的として、トレハロースの基本的な特性や、機能性を研究している研究者が講演し、多くの産官学の研究者や商品開発担当者が参加しています。第1回から第25回までに計193演題が発表されています(基調講演、ポスター発表など含む)。

◆トレハロースとは?
トレハロースは、きのこ類や酵母、植物、昆虫などの生物に含まれており、自然界に広く存在する二糖類です。生体内では、乾燥状況下で細胞や組織を保護する作用があることが、古くから知られています。これまでの研究により、トレハロースの水和やガラス化特性といった物理化学的性質が、細胞保護作用に寄与していることが明らかとなっており、食品や医薬品、化粧品等の分野で利用されています。

◆本プレスリリースに関するお問い合わせ先
株式会社 林 原 経営デザイン部 担当:安原 TEL:086-224-4315

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