岡山大学とナガセヴィータ 産学連携による共同研究講座「糖質・植物生化学講座」を新設

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ナガセヴィータ株式会社

ナガセヴィータ株式会社(本社:岡山市北区下石井 代表取締役社長:万代 隆彦)は、国立大学法人岡山大学(所在地:岡山市北区、学長:那須保友)と共同で、産学連携による共同研究講座として「糖質・植物生化学講座」を、2025年11月より岡山大学農学部内に開設いたします。

岡山大学とは2020年よりパートナーシップ協定を締結し、SDGs達成に資する社会課題の解決を目的としたオープンイノベーション活動を継続してきました。こうした活動の発展として、ナガセヴィータからの提案を契機に協議が進み、本講座の開設に至りました。本講座では、ナガセヴィータが培ってきた糖質科学の技術と、岡山大学が有する植物・微生物・環境に関する学術的知見を融合することで、産業と学術の垣根を越えた新たな価値創出を目指します。

具体的には、地球温暖化に伴う環境変化が、植物とそれに共生する微生物との関係にどのような影響を及ぼすかを明らかにします。さらに、糖質などの生体化合物が、こうした植物・微生物の相互作用に果たす役割を解明することを目指します。これにより、持続可能な植物資源の活用と安定的な食糧供給に向けた新たな解決策の創出を図ります。

【研究テーマ】

以下は、本講座で扱う研究テーマの一部です。

1.植物ホロバイオントの役割解明
植物とその周辺に共生する微生物群(ホロバイオント)が、環境ストレス下で植物の健康や生産性をどのように維持するかを明らかにする。

2.生体化合物による植物の成長・生産性向上
糖質などの生体化合物を植物に外部から適用することで、成長促進やストレス耐性の向上を図る。

3.ハイスループット
評価系の構築植物の成長促進や収量向上に寄与する生体化合物の機能を効率的に評価するためのスクリーニング技術を開発する。
※ハイスループット:特定の生物活性や化学的性質を高速かつ自動的に評価する技術

本講座の研究代表者を務めるウーイ・リーア(農学博士)は、マレーシア国立大学において遺伝学の学士号と災害科学の修士号を取得し、さらに岡山大学にて農学の博士号を取得しています。これまでに植物生理学、分子生物学、バイオテクノロジー、ハイスループットセンサーおよびバイオセンサー技術、環境モニタリング、気候変動の緩和と適応、災害リスク軽減など、幅広い分野にわたる研究に取り組んできました。現在は、植物の成長やストレス耐性を促進する生理活性物質の効果とその分子メカニズムの解明に焦点を当てており、本講座を通じて、産学連携による先端研究の推進に貢献していく予定です。

【社会的意義】

本講座では、植物とその周辺に共生する微生物群が気候変動などの環境ストレスにどう対応するかを解明することで、植物資源の持続的な活用を実現し、安定した食糧供給に貢献します。また、植物の健康や生産性を保つための新しい素材の探索を通じて、人々のウェルビーイングの向上や生態系の保全にもつながることが期待されます。

【講座の概要】

講座名

糖質・植物生化学講座(Laboratory of Glycobiology and Phytochemistry)

設置場所

岡山大学農学部 農芸化学コース内

主な研究領域

・植物・微生物・環境の相互作用に関する統合的研究 ・糖質を中心とした生体化合物の探索と機能解明

体制

・研究代表者:ウーイ・リーア(特任准教授)
・守屋央朗(教授(兼務))
・助教・ポスドク:公募により採用予定

「糖質・植物生化学講座」の主要な研究領域

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