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環境活動の目標と実績

当社は、地球環境や自然環境が適切に保全され、将来の世代に豊かな地球環境を引き継げるよう、法令順守を確実に行うとともに、事業活動における省エネルギーの推進と温室効果ガスの低減、グリーン調達の推進、廃棄物の低減、リサイクルの推進などを通じて、ステークホルダーや地域の期待に応えます。

気候変動に関する目標

当社は2050年までにGHG排出量を実施ゼロとするカーボンニュートラルの実現(Scope1,2)および 2030 年までに、Scope1・2 の46%削減(2013 年比)を目指しています。

環境負荷低減のための取り組み

省エネルギーの推進・温室効果ガス発生の低減

  • 省エネ法事業者クラス分け制度

    経済産業省が行う省エネ法の定期報告に基づく事業者クラス分け評価制度(2024年度提出分)において、Aクラス(省エネの更なる努力が期待される事業者)と評価されました。

    提出年度2022年度2023年度2024年度
    直近原単位前年比97.2%121.5%95.6%
    5年間平均99.4%104.0%104.0%
    クラスAAA

    2025年10月7日開示

  • LNG(液化天然ガス)へのエネルギー転換

    播磨事業所では、2009年よりボイラー燃料を重油から、CO₂発生量の少ないLNG(液化天然ガス)に転換して操業しています。2011年には国内クレジット制度認証*(現J-クレジット制度)に登録し、2010~2017年の間に計15,000tのCO₂削減分を譲渡しました。
    創出されたクレジットを活用することにより、低炭素投資を促進し、日本の温室効果ガス排出削減量の拡大につなげています。

    LNGタンク
  • 省エネルギー活動

    • 省エネ活動ワーキンググループを設置し、省エネを継続的に推進しています。
    • 播磨事業所において、ボイラ更新を行い、総合効率6.4%の改善を達成。
      CO₂排出量は年間244ton削減見込み。なお、本事業は先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金の交付対象に採択されました。

リサイクルの推進

NAGASEグループでは、環境方針で「エネルギー・水の節減をはじめとした省資源および廃棄物の削減・リサイクルに取り組む」ことを掲げています。
当社では、半導体やフラットパネルディスプレイの製造工程に使用する薬液の成分濃度管理によるライフサイクルの長期化、使用量の削減、蒸留による使用済み薬液の再利用など、経済成長と環境負荷低減の両立を目指すサーキュラーエコノミーに取り組んでいます。

グリーン調達の推進

当社における有害化学物質管理の基本原則は「禁止物質を事業所/工場に入れない」、すなわち、「禁止物質を製造しない」および「禁止物質を含有する原料を購入しない」ことです。

国内の規制やEU RoHS指令などの各種法令や、業界、顧客の要求を順守するために、化学物質管理の専門組織を置き、当社製品や原料が含有する有害性物質を把握し、化学物質による環境リスクが懸念される場合には自主的に使用・排出を削減、廃止することによって、当社の製品に起因する環境への影響を低減できるよう取り組んでいます。

生物多様性保全

人や企業の活動は地域の生態系に対してさまざまな影響を与えます。当社は「人々が快適に暮らせる安全・安心で温もりある社会」の実現に向け、NAGASEグループの生物多様性に対する基本的な考え方に基づき、事業を展開しております。取り組み事例としては、地域の緑化事業に長年協賛しています。

また、NAGASEグループでは、汚染防止に関連する法規や各自治体の条例、協定などで定められた基準値よりも厳しい自主管理値を設定し、その順守に努めることを汚染防止に関する基本的な考え方としています。

当社では、河川やその流域および海の環境・生物多様性を保全する責任を果たすため、事業所からの排水について、常に厳しい厳格な管理を徹底しています。

NAGASEグループの生物多様性に対する基本的な考え方 NAGASEグループの事業活動方針

水資源に対する取り組み

国連が進める持続可能な開発目標(SDGs)を通じて、すべての人々への安全な水の確保を目指し、水へのアクセスを含む、より豊かな生活の実現が求められています。
こうした状況を踏まえ、NAGASEグループでは、事業活動の中で適切な量の利用、リサイクル、再利用を徹底すると共に、利用効率の改善、水使用量の削減に取り組んでいます。

水資源管理

当社は、取排水量、リサイクル量を把握し、水資源の有効活用や、環境負荷の低減に取り組み、水資源の管理計画の策定を検討しています。

取水
すべての拠点において第三者供給水からの取水を行っており、播磨事業所では地下水からの取水も行っています。

排水
工場の立地条件により、播磨事業所については、流域河川への放流を行っています。放流に際しては、水環境改善のための汚濁負荷削減などの各種対策を推進し、管理基準を設け環境基準に適合するよう排水水質の維持を図っています。

リサイクル
蒸気発生後の凝縮水をボイラー給水に再利用しています。また、水冷式チラーにおいて冷却用にリサイクル水を使用しています。

生産拠点の水質保全のためのエンゲージメント

「The WWF Water Risk Filter」を用いた製造拠点の水リスク評価(流域リスク)において、 播磨事業所は、流域リスク2.56と評価されています(2025年6月30日時点)。

国内最大級オゾン発生排水処理設備

当社では、製造⼯程で⽣じる廃⽔を排⽔処理設備で浄化し、基準値以下の⽔質で河川へ放流しています。そして、環境負荷低減の取り組みとして、排⽔の処理⽅法、設備の改良・改善を⾏っています。以前は浄化しきれなかった廃⽔を産業廃棄物として処理していましたが、敷地内の排⽔処理設備で浄化し、廃棄物削減による環境負荷低減を推進しています。
さらにオゾン技術を活⽤したAOP(Advanced Oxidation Process:促進酸化処理)設備の導入によりCOD値の上昇時(緊急時)に規制値を超える排水を放流しない仕組みを整備しています。

井水(地下水)の活用

NAGASEグループでは、限りある水資源を大切にするため、できる限り使う水を少なくする(Reduce)、繰り返し使う(Reuse)、処理をして再生利用する(Recycle)、「水の3R」について重要な課題であると捉えています。
播磨事業所は、地下水の豊富な揖保川流域に位置しており、年間を通じて水温が安定している地下水を製造工程の冷却水として活用しています。さらに、その冷却水を別工程の洗浄水として再利用するカスケード利用(多段的利用)により、製造現場における「水の3R」を推進しています。

製品を通じた環境負荷低減

当社は、マテリアリティに「環境にやさしい化学工場をつくる」「素材・技術の開発で豊かな未来をつくる」を掲げています。気候変動を含む環境リスクは、同時にビジネスの機会と捉え事業を推進しています。

先端材料の開発・販売への関与

当社は、エポキシ樹脂製品をトヨタ自動車株式会社(以下トヨタ社)に提供しています。トヨタ社の水素で走る「MIRAI」には、高圧水素タンクが搭載されており、タンクの材料として、強靭な炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が使用されています。炭素繊維に含浸するマトリクス材料として、当社のエポキシ樹脂製品が使用されており、タンクの生産力の向上にも貢献しています。

トヨタ自動車株式会社より新型MIRAIプロジェクト表彰を受賞(写真:トヨタ自動車株式会社より提供)|ニュースリリース|ナガセケムテックス株式会社

バイオ由来・高吸水性ポリマー×大人用紙おむつの共同開発

当社を含むNAGASEグループは、高いバイオマス度でかつ高い吸水性能を有する生分解性の高吸水樹脂(SAP)を開発しております。現在、生分解性SAPをおむつの吸水体に用いた製品を共同開発しています。高バイオマス度のSAPを使用した環境対応型衛生用品の実用化は先進的な事例であり、介護・医療施設、ドラッグストアなどの市場に向けたサステナブル製品として展開を図ります。

バイオ由来・高吸水性ポリマー×大人用紙おむつの共同開発 環境課題解決へ提案 環境にやさしい紙おむつ開発を目指して|ニュースリリース|ナガセケムテックス株式会社

環境教育

当社では、ISO14001や環境に関する教育として、全従業員を対象とする定期教育を毎年実施しています。また、新入社員教育、階層別教育、法改正が行われた場合など、必要な教育を適時行っています。