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ナガセケムテックスではバイオマス度が100%に近いバイオベースエポキシ化合物「GREEN DENACOL」と高バイオ率と機能性を両立したバイオベースエポキシ変性品「GREEN DENATITE」を提供しています。両者ともさまざまなグレードから、用途に合わせて選択できます。

GREEN DENACOLとは?

GREEN DENACOLは、ナガセケムテックス株式会社が開発した、植物由来のバイオベースエポキシ化合物です。
原料植物の光合成によりCO₂排出量の低減にも貢献します。反応性が高く、水溶性・疎水性両方のタイプをラインナップしています。
また、USDA認定とバイオマスマークも取得している製品もあり、品質及び安全性が関連する法規、基準、規格等に適合している環境商品です。

GREEN DENACOLとは

GREEN DENACOL


GREEN DENATITEとは?

GREEN DENATITEは、GREEN DENACOLに適した硬化剤・添加剤を組み合わせてさまざまな用途向けに変性されたエポキシコンポジット材料です。高いバイオマス度を維持しながら、低粘度・高強度・高Tgなどの特性を両立します。FRP用マトリックス材、常温硬化型接着剤、バイオマスフィラーを配合した注型材・成形品など、多用途に対応し、モビリティ分野でのCO₂削減とサステナブルな材料開発に貢献します。

GREEN DENATITE

グリーンデナタイト


バイオコンポジット材料の紹介

近年、環境意識の高まりに伴い、石油由来のプラスチックに代わる持続可能な素材として、バイオコンポジット材料が注目されています。

バイオコンポジット材料とは?

コンポジット材料は、2つ以上の異なる原料を組み合わせた複合材料です。
バイオコンポジット材料は、従来型の石油由来の材料にバイオマス資材を添加した材料のことを指します。


バイオコンポジット材料の構成

バイオコンポジット材料は、大きく分けて強化材とマトリックス材料という二つの構成要素から成り立っています。

天然繊維強化材(フラックス、ジュート、セルロース、ヘンプ など)

強化剤には材料の強度や剛性を高める役割があります。
バイオコンポジットの強化材として最も広く利用されているのが、天然繊維です。

フラックス

フラックス(Flax)は、亜麻(あま)という植物の茎から得られる天然繊維で、バイオコンポジット材料の強化材として広く利用されています。軽量で高強度な繊維であり、環境負荷の小さい材料です。

フラックス

ジュート

黄麻から採取される繊維で、安価で入手しやすいという利点があります。強度はやや劣りますが、土壌分解性が高く、環境にやさしい素材として注目されています。

フラックス

セルロース

植物細胞壁の主成分であるセルロース繊維は、地球上で最も豊富に存在する有機化合物です。木材パルプや綿、麻などから採取されます。近年は、バクテリアによって合成されるバクテリアセルロースも注目されており、高純度で均一な繊維構造を持つことから、高機能材料への応用が期待されています。

フラックス

マトリックス材料(バイオ由来樹脂、再生プラスチック、エポキシ化合物)

バイオコンポジットのもう一つの重要な構成要素であるマトリックス材料は、強化材である天然繊維を結合し、一体化させる役割があります。

バイオ由来樹脂
バイオ由来樹脂は、植物由来の再生可能な資源から作られる樹脂です。石油由来の合成樹脂と同程度の耐久性・耐熱性を持ちながら、リサイクル性が高いという特徴もあります。
再生プラスチック
再生プラスチックは、使用済みプラスチックを回収、再利用して作られる材料です。
バイオコンポジットのマトリックス材料として再生プラスチックを使用する場合、強化材との相性や要求される物性を考慮することが重要です。また、プラスチックには添加剤が使われていることが多く、品質の安定性や均一性についても注意が必要です。
エポキシ化合物
エポキシ化合物は、高い接着性、強度、耐薬品性を持つことから、さまざまな用途で使用されています。バイオコンポジットにおいては、天然繊維との相性が良く、優れた機械的特性を発揮します。

ナガセケムテックスが提供するGREEN DENACOLも、エポキシ化合物です。


フィラーおよび添加剤(チョーク、デンプン、農作物残渣)

バイオコンポジット材料には、フィラーや添加剤が使用されることがあります。これらは材料の特性を調整したり、コストを削減したりする目的で添加されます。

チョーク

炭酸カルシウムを主成分とするチョークは、安価で入手しやすく、白色度が高いことから、バイオコンポジットのフィラーとして広く利用されています。材料の密度を高め、硬度を向上させる効果があります。

チョーク

デンプン

植物由来のデンプンは、生分解性を持つフィラーとして注目されています。材料の吸水性を調整したり、成形性を向上させたりする効果があります。

デンプン

農作物残渣

農作物残渣は、サトウキビバガス、稲殻、トウモロコシの茎葉など、農作物の収穫後に残る部分です。これらをフィラーとして利用することで、廃棄物の削減と資源の有効活用に貢献できます。また、軽量化や断熱性の向上などの効果も期待できます。

農作物残渣

バイオコンポジットと従来の複合材料の比較

バイオコンポジットは、環境負荷低減に貢献する新素材です。従来の複合材料と比較して、どのような違いがあるのでしょうか。

原材料と構成

項目 バイオコンポジット 従来の複合材料
強化材 天然繊維 ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維など
マトリックス バイオ由来樹脂、再生プラスチックなど 石油由来樹脂 (枯渇性資源)
フィラー/添加剤 チョーク、デンプン、農作物残渣など ガラスビーズ、炭酸カルシウム、タルク、顔料など

環境負荷

項目 バイオコンポジット 従来の複合材料
原材料 再生可能な資源 石油由来の資源
(枯渇性資源)
CO2排出量 少ない 多い

廃棄と処理

項目 バイオコンポジット 従来の複合材料
原材料 再生可能な資源 石油由来の資源
(枯渇性資源)
マトリックス 少ない 多い

バイオベースコンポジットマトリックスの役割

バイオコンポジットの性能は、マトリックス樹脂の選択に大きく左右されます。マトリックス樹脂は、強化材である天然繊維を結合し、一体化させる役割を担うだけでなく、荷重を分散させ、材料全体の強度、耐久性、耐水性、耐熱性などを向上させる役割も果たします。
GREEN DENACOLは、さまざまなグレードをラインナップ。用途に合わせて最適な製品を選択できます。粘度、反応性、機能性など、お客様のニーズに合わせた製品を提供することで、バイオコンポジットの性能向上に貢献します。


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