開発の歴史

デナコールの軌跡と技術革新の歩み

History
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繊維加工剤としての誕生
(1960年代後半)

1960年代後半、当時の長瀬産業では染料の取り扱いを中心に、繊維業界との関係を築いていました。
その中で、顧客である繊維メーカーのニーズに応えるべく、繊維加工剤としての水溶性エポキシ化合物の開発が尼崎東工場でスタートします。

繊維中の水酸基とエポキシ基の反応を活用することで、防縮性や防しわ性などの機能向上が期待されました。
また、繊維加工には水が使われるため、「水溶性」という特長が不可欠でした。
こうして誕生したのが、
デナコール「EX-313」「EX-314」「EX-832」などの初期製品群です。
これらは現在に至るまで、繊維処理剤として幅広く使用されています。

昔の尼崎東工場の画像

事業領域の拡大とブランド化
(1970年代)

1970年代に入ると、水溶性エポキシ化合物の用途は繊維分野から紙加工・接着用途へと拡大していきます。
当時、グリセリンタイプのエポキシ樹脂が世界的に注目される中、ナガセ化成工業(現・ナガセケムテックス)は独自の合成法を確立しました。

これにより、収率の向上や有機溶剤使用の最小化による環境負荷の低減を実現し、コスト競争力のある製品群を確立。
この成果が「デナコール(DENACOL)」ブランドの誕生につながり、事業展開の礎となりました。

設立時の龍野工場の画像

水溶性エポキシ化合物の開発と海外展開
(1980年代)

1980年代には、高水溶性・低粘度を兼ね備えたエポキシ化合物の開発に成功しました。
完全水溶性のエポキシ樹脂の製造は当時極めて困難とされていましたが、
新たな合成技術の開発によって実現されました。
この合成技術は、新たな用途展開を促進するとともに、
アメリカ市場への進出にもつながりました。

製品ラインナップの拡充と共同開発

その後もナガセケムテックスは、顧客ニーズに応じた製品の多様化を積極的に推進。
たとえば、多官能タイプや単官能タイプなど、
樹脂添加剤・架橋剤用途を含む多彩なグレードを展開してきました。
また、顧客との共同開発を通じて、
他社にはない製品をスピーディに提供する体制も整えていきます。

技術と品質が支える代表製品群

これらの製品群に共通するのは、水溶性エポキシという独自分野で培われた高度な合成技術と開発力です。
特に、「EX-313」「EX-614B」といった代表的なグレードは、
現在でもナガセケムテックスの主力製品として、産業のさまざまな現場で活躍しています。


ナガセケムテックスは今後も、これまでに培ってきた技術とノウハウを基盤に、
持続可能で高機能な材料を提供し続け、世界のものづくりに貢献していきます。