コーティングの密着性を高める密着性向上剤「デナコール」
コーティング用密着性向上剤、デナコール
ナガセケムテックス株式会社が長年開発してきた「デナコール」について紹介します。
デナコールとは?
デナコール(DENACOL)はアルコール性水酸基とカルボン酸などをグリシジルエーテル(またはエステル)化したエポキシ化合物で、コーティング用密着性向上剤として適しています。
官能基としてエポキシ基を持ち、これが架橋剤として機能することで高い密着向上効果を発揮します。
デナコールの特長
デナコールにはいくつかの特長があります。
● 可とう性
● 耐候性
● 水溶性
● 少ない環境負荷
● 多彩なラインナップ
可とう性とは外力が加わったときにしなやかに撓んだり、折り曲げても破断しない性質のことをいいます。また、耐候性とは紫外線などの自然環境に耐え得る性能のことです。
デナコールは水溶性のため、水処理用途での使用が可能です。また、溶剤にも溶けやすいという特長があります。VOCフリーであるため環境負荷が小さく、使用環境を選ばないことも大きな特長です。

デナコールの種類
デナコールにはさまざまな用途に合わせて、大きく5種類の製品タイプに分類されます。
● 多官能タイプ:高反応性と耐久性が特長
● 2官能タイプ :緩やかな架橋構造を必要とする用途に適している
● 単官能タイプ:脂肪族エポキシ、芳香族エポキシなど多彩なラインナップがある
● 低塩素タイプ:塩素含有量を大幅に削減したタイプ
● グリーンデナコール:植物由来のバイオベースエポキシ化合物
密着性向上剤推奨グレード
多彩なラインナップの中で多官能タイプに属する推奨グレードを4つ紹介します。いずれも水溶性や高反応性、低粘度などの特長があり水系塗料や粘着剤の架橋剤、繊維の表面処理剤として使用されます。
EX-313
化学名:グリセロールポリグリシジルエーテル
表1.EX-313の仕様
エポキシ当量(g/eq.) | 粘度 (mPa・s) |
全塩素含量(%) | 色価 (APHA) | 水溶率(%) | 包装 |
---|---|---|---|---|---|
141 | 150 | 9 | 10 | 99 | 20kg, 220kg |
EX-421
化学名:ジグリセロールポリグリシジルエーテル
表2.EX-421の仕様
エポキシ当量(g/eq.) | 粘度 (mPa・s) |
全塩素含量(%) | 色価 (Gardner) | 水溶率(%) | 包装 |
---|---|---|---|---|---|
159 | 650 | 9.6 | 1 | 88 | 20kg, 220kg |
EX-614B
化学名:ソルビトールポリグリシジルエーテル
表3.EX-614Bの仕様
エポキシ当量(g/eq.) | 粘度 (mPa・s) |
全塩素含量(%) | 色価 (Gardner) | 水溶率(%) | 包装 |
---|---|---|---|---|---|
173 | 5,000 | 10.1 | 3 | 94 | 20kg, 220kg |
EX-512
化学名:ポリグリセロールポリグリシジルエーテル
表4.EX-512の仕様
エポキシ当量(g/eq.) | 粘度 (mPa・s) |
全塩素含量(%) | 色価 (Gardner) | 水溶率(%) | 包装 |
---|---|---|---|---|---|
168 | 1,300 | 6.5 | 40 | 100 | 20kg, 220kg |
コーティング用密着性向上剤とは?
コーティングは部材や部品(以下、被着体)の表面を覆い、被着体の性能を向上させるために使用されます。コーティングには硬度を高めて表面の傷を防ぐ、耐候性を高めて紫外線や潮風から保護するなどの目的があります。
しかし、コーティングが被着体に適切に密着されなければ、これらの効果は十分に発揮されません。この密着を確実にするために使用されるのが「密着性向上剤」です。
密着性に影響を与える要素
密着性を向上させる方法は複数ありますが、本記事では架橋剤を密着性向上剤として用いる方法を紹介します。
例えば、カルボキシル基などの官能基をもつ水性樹脂とエポキシ基をもつ密着性向上剤を組み合わせると、付加反応により架橋構造を形成します。架橋構造とは個々のポリマーが結合した状態のことで、密着性が増すだけでなく、コーティング層全体の硬度や耐久性も向上します。これによりコーティング剤の機能をより効果的に発揮できるようになります。
コーティング用密着性向上剤の用途
コーティング用密着性向上剤は、さまざまな用途で使われます。そのうち、代表的な例を紹介します。
フロアコーティング
床材は多くの人が行き来したり、オフィス機器や什器を置いたりすることで傷つく可能性が高くなります。そのため、表面を保護するフロアコーティングが施されます。
密着性向上剤によってコーティングを床材に密着させることで表面保護性能が向上します。また、密着性向上剤のタイプによってはVOC(揮発性有機化合物)を発生させず室内環境への影響を低減することも期待できます。

マリンコーティング
船艇、船舶
船舶は船体の大部分を水中に沈めた状態で海上を航行するため、海中での高い耐久性が求められます。そのため、密着性向上剤によってコーティングを船体に強固に密着させることで、海中環境に耐える性能を実現する必要があります。また、密着性向上剤が自然環境を破壊しないことも大切です。そのため、植物由来のバイオベースの密着性向上剤が求められることがあります。

3Cコーティング
電子機器、コンピュータ、家電
3Cとは電子機器(通信機器=Communication)、コンピュータ(Computer)、そして家電(Costumer Electronics)のことを指します。電子機器にはスマートフォンも含まれるため、いずれも私たちの生活の中で頻繁に使用されるものです。
3Cは人が手で触れるため、汚れや傷から守るためにコーティングなどが施されます。密着性向上剤を使用することで、しっかりと密着し機能を十分に発揮することが出来ます。

密着性向上剤の比較
密着性向上剤にはさまざまな種類があります。ここでは代表的な密着性向上剤を紹介します。
架橋剤
架橋剤とは高分子化合物(ポリマー)を結合させて、架橋構造を作るための添加物です。架橋剤を使用することでポリマー鎖が化学結合や相互作用により連結するため、密着性や硬度が向上するという性質があります。他にも耐溶剤性や耐熱性の向上などの目的で使用されます。
架橋剤は一種類ではなく、カルボキシル基、水酸基、アミノ基など架橋構造を作りたい官能基(架橋反応の起点となる部分)によって、使い分ける必要があります。

シランカップリング剤
カップリング剤とは、有機化合物と反応する部位と、無機化合物と反応する部位の両方をもつ化合物のことです。シランを含むカップリング剤のことをシランカップリング剤といいます。シランカップリング剤はアルコキシ基と呼ばれる官能基を持っており、これが金属やガラス、フィルムなどの基材と反応してカップリング剤として機能します。

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