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半導体プロセステープに使用できる導電性コーティング剤の特性
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半導体の製造には数多くの工程があり、それぞれに専用の材料が必要です。その中でも「半導体プロセステープ」は、工程終了後に廃棄されるため、重要性が見過ごされがちです。しかし、実際には製造工程において不可欠な役割を担っています。
この記事では、ダイシングやバックグラインド(裏面研磨)で使用される半導体プロセステープについて詳しく解説します。
半導体プロセステープとは
半導体プロセステープは、CPUやメモリなどの半導体デバイスを製造する際に、主にダイシング工程やバックグラインド工程で使用される特殊な粘着テープです。
近年、スマートフォンやPCなどの電子機器の薄型化に伴い、半導体チップ自体の薄型化が求められています。そのため、ウェハの裏面を研磨するバックグラインド工程が不可欠となり、半導体プロセステープの重要性はますます高まっています。
・薄型化と3Dパッケージ技術への対応
チップを垂直方向に積層する「3Dパッケージ」技術では、パッケージ全体の高さを抑えるため、チップの薄さが必須です。この工程でも裏面研磨が必要となり、半導体プロセステープが活躍します。
ダイシング工程での役割
ウェハを個片のチップに切り分けるダイシング工程では、裏面にプロセステープを貼ることで、切断時のチップ飛散を防止します。これにより、製品の歩留まり向上にもつながります。
このように半導体プロセステープは、半導体製造において欠かせない材料です。
半導体プロセステープの種類
半導体プロセステープにはいくつかの種類があります。ここでは代表的な4種類を紹介します。
UVテープ(UV硬化型テープ)
UVテープはUV照射によって粘着力を失うテープです。照射前は粘着力があるためウェハに貼ることができます。しかし、処理(工程)後、UVテープが不要になれば、UV照射によって簡単に剥がれます。
一般的に、UVテープの粘着剤にはベースポリマーやオリゴマーと呼ばれる材料が使用されています。UV照射前は、網目構造を持つベースポリマーの中に、流動性のあるオリゴマーが混合した状態で存在し、この構造によって粘着力を発揮します。
しかし、UVを照射すると、オリゴマーが架橋反応を起こして結合し、新たな網目構造を形成します。その結果、ベースポリマーとオリゴマーの二重の網目構造が生じ、粘着剤は硬化して粘着力を失います。
熱剥離テープ(加熱で剥離するテープ)
熱剥離テープは、加熱によって接着剤が軟化し、粘着力を失う特殊なテープです。常温では十分な粘着力を持つため、ウェハなどの対象物にしっかり貼り付けることができます。しかし、処理後に加熱することで、簡単に剥がせるようになります。
ダイシングテープ
ダイシングテープは、半導体製造におけるダイシング工程で使用される半導体プロセステープです。ダイシング前にウェハの裏面に貼り付けることで、工程を安全かつ効率的に進めることができます。一般的に、ダイシングテープは青色のものが多く使用されます。また、剥離の際にはUV照射によって粘着力を低下させるUVタイプが広く採用されています。
ダイシング工程とは?
ダイシングは、回転する円盤状のダイシングソー(ダイヤモンドブレード)をウェハの上面から当てて切断する工程です。X方向とY方向にブレードを走らせることで、ウェハを個々のチップに切り分けます。
このとき、裏面にダイシングテープを貼らないと、切り出されたチップが飛散してしまいます。そのため、ダイシングテープは歩留まりを確保するために不可欠です。
バックグラインドテープ
バックグラインドテープは、半導体製造における研磨工程(バックグラインド)で使用される半導体プロセステープです。研磨前にウェハの表面(回路形成面)を保護するため、テープを貼り付けた状態で裏面を研磨します。
バックグラインドは、化学的または機械的な方法でウェハの裏面を薄くする工程です。この際、ウェハには大きな負荷がかかり、チッピングやクラック(割れ)が発生するリスクがあります。また、研磨時のコンタミネーション(異物付着)による汚染防止も重要です。
こうした問題を防ぐために、バックグラインドテープが不可欠です。
バックグラインドテープには、剥離方法の違いによって次の2種類があります。
UVタイプ :UV照射によって粘着力を低下させ、容易に剥離可能
非UVタイプ :熱など、UV以外の方法で剥離するタイプ
用途や工程条件に応じて、適切なタイプを選定することが重要です。
半導体プロセステープに求められる性能とは
半導体プロセステープには、製造工程の処理条件に耐え、周辺環境や製品に悪影響を与えないことなど、さまざまな性能が求められます。特に重要なポイントは次のとおりです。
接着強度の調整
半導体プロセステープは、工程のタイミングによって粘着性と剥離性の両方が必要です。
ダイシングやバックグラインド工程中:ウェハをしっかり固定するため、十分な粘着力が求められます。
工程終了後:容易に剥がせる剥離性が必要です。
このように、工程に応じて粘着力をコントロールできることが、半導体プロセステープの重要な特性です。
耐熱性
研磨やダイシング以外にも、テープを貼り付けたまま高温にさらされる工程があります。
例:
洗浄後の乾燥(真空乾燥)
チップにバンプ(球状はんだ)を形成するリフロー工程
これらの工程では、150℃〜260℃程度の温度環境に耐える必要があります。耐熱性が不足すると、テープが剥離・溶解し、はんだと混ざって不純物となるリスクがあります。
残渣の少なさ(低汚染性)
半導体回路はナノレベルで加工されるため、剥離時にテープの残渣が残るとコンタミネーション(異物付着)となり、回路のショートや断線の原因になります。
剥離性(作業性)
処理後に容易に剥がせることも重要です。粘着力が残っていると、剥離時にウェハへ過剰な力が加わり、反りや破損の原因になります。
さらに、剥離は自動化されており、剥離性はタクトタイムに直結します。短いTAT(Turn Around Time、ウェハが装置に入ってから出るまでの時間)を実現するためにも、剥離性は重要な性能です。
静電気対策(帯電防止性)
半導体は電子回路で構成されているため、静電気を帯びると想定外の電流が流れ、ショートの原因となる可能性があります。これにより、チップの歩留まり(良品率)が低下し、製造コストや利益に悪影響を与えます。
そのため、半導体製造で使用される半導体プロセステープには、静電気を帯びない性能(帯電防止性)が求められます。この性能は、製品の信頼性を確保し、歩留まりを維持するために不可欠です。
クリーンルーム適合性
半導体製造は微細なコンタミを嫌うため、特に前工程はクリーンルームで行われます。
求められる性能:
チリや埃を発生させないこと
アウトガス(揮発性ガス)の低減
特に揮発性有機化合物は不良品の原因となるため、低アウトガス性が重要です。
ナガセケムテックスの導電性コーティング剤(帯電防止剤)とは
ナガセケムテックスでは、半導体製造に対応した導電性コーティング剤(帯電防止剤)を提供しています。これは、静電気による不良品発生を防ぐために重要な役割を果たす製品です。
概要
半導体製造における不良品の原因の一つが静電気です。重要なのは、静電気を除去するのではなく、蓄積させないこと。
ナガセケムテックスの導電性コーティング剤は、導電性ポリマー(PEDOT:PSS)またはカーボンナノチューブ(CNT)を含み、高い信頼性と安全性を実現します。
用途
半導体製造では、ダイシングやバックグラインド以外にもテープが使用されます。
半導体チップは非常に小さいため、個片状態では運搬が困難です。そのため、キャリアテープと呼ばれるポケット形状の資材に搭載して搬送します。
この際、半導体がキャリアテープから落下しないように封止(シール)する必要があります。封止に使用されるテープをカバーテープといい、このカバーテープにナガセケムテックスの導電性コーティング剤が採用されています。
対象製品
カバーテープに使用できる導電性コーティング剤(帯電防止剤)は、以下の2種類です。
P-560ST
導電性ポリマーであるPEDOT:PSSをベースにしており、延伸性に優れています。主な溶媒が水でインラインコーティングに向いている他、密着性も良好です。光学フィルムや産業資材の帯電防止にも使用されます。5℃における貯蔵安定性が12か月間と優れているため、使い切らなかった場合でも一定期間の保存が可能です。
表1.P-560STの液物性
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| 外観 | 濃青色 |
|---|---|
| 主な成分 | 導電材・延伸助剤 |
| 主な溶剤 | 水 |
| pH | 6〜9 |
| 粘度 | 10〜30mPa・s |
| 貯蔵安定性(5℃) | 12か月 |
| 貯蔵安定性(25℃) | 4か月 |
C-100A
カーボンナノチューブ(CNT)をベースとした透明帯電防止コーティング剤です。各種基材(PET,PMMA,PA, ABSなど)への密着性が高く、耐熱・耐湿熱などの耐久性に優れます。カバーテープ以外にも、光学フィルムや産業資材の帯電防止にも使用されます。P-560STと同様、5℃における貯蔵安定性が12か月間と優れているため、使い切らなかった場合でも一定期間の保存が可能です。
表2.C-100Aの液物性
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| 外観 | 黒色 |
|---|---|
| 主な成分 | 導電材・バインダー樹脂 |
| 主な溶剤 | 水 |
| pH | 6〜10 |
| 粘度 | 5〜10mPa・s |
| 貯蔵安定性(5℃) | 12か月 |
| 貯蔵安定性(25℃) | 4か月 |