Denatron Museum / デナトロンを知ろう
カーボンナノチューブ(CNT)の膜をSEM観察してみよう
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2020/10/11
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前回カーボンナノチューブ(CNT)の分散について書きました。
今回はCNTの分散液を成膜して表面をSEM(走査電子顕微鏡)で観察したいと思います。
前回お話ししたように、カーボンナノチューブ(CNT)は均一な分散液を得ることは難しいと言われています。
(カーボンナノチューブ(CNT)の分散はこちら)
うまく分散できた液でも成膜する際の乾燥工程の影響を受け、凝集を引き起こすことがあります。
膜中でCNTが凝集すると、膜の外観や物性(導電性など)に悪影響を及ぼします。
では膜中のCNTはどのような状態になっているのでしょうか?
今回は
- 凝集抑制なしの膜
- 凝集抑制ありの膜
をそれぞれSEMで観察し、膜の状態を解説します。
(塗膜についてはガラス基板にバーコーターで塗布し送風乾燥機で乾繊)
繊維状に見えるものがカーボンナノチューブ(CNT)です。
デナトロンの膜はCNTが均一に分布している様子が分かります。
一方、凝集を起こしている膜はCNTが偏って分布しています。
この偏りが導電性を悪くしていると考えられます。
成膜時の乾燥工程で分散状態が変化し、分散のバランスが崩れることが影響しています。
しかしデナトロンType-Cは独自の技術で最適な配合を行っているので、成膜後も均一な塗膜を得ることができ高性能を発揮することが可能です。
デナトロンType-CをPETフィルムに塗布したものはこちらです。
透明性が高く、高耐候性、耐摩耗性、耐溶剤性、密着性に優れています。