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ナノカーボンとは?

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2020/02/11

デナトロンに新たにナノカーボンがラインナップに加わりました!
ということで今回はナノカーボンについてお話していこうと思います。

カーボン材料は古くは木炭からはじまり、活性炭やカーボンブラックなど多岐に渡り、私たちにとって非常に身近な材料です。
ナノカーボンとしてはダイヤモンド、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン等様々な種類があり、構造や性質も全く違います。
例えばダイヤモンドは電気を通しませんが、グラフェンは電気をよく通します。

今回はナノカーボンの中のグラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレンについてお話します。

グラフェン

グラフェンとは炭素原子が六角形に結合したハニカム構造をしています。
2次元物質で厚みは炭素原子一個分(約0.33nm)で、
グラフェンが多層に重なったものがグラファイトです。
鉛筆の芯にも含まれているグラファイトをセロハンテープで薄く剥がしてグラフェンを分離したという話は有名な話です。

世界ではじめての完全な2次元物質であり、分離に成功したAndreGei博士とKonstantinNovosel博士は、2010年にノーベル物理学賞を受賞しています。
電気伝導度と熱伝導率が非常に高いことで知られています。
また、平面構造によるガスバリア性も注目されています。

太陽電池、キャパシタ、リチウムイオン電池、燃料電池、アクチュエーター、フレキシブル透明電極、トランジスタ、放熱シート、バリアフィルムなど多岐に渡る分野での使用が期待されています。

SWNT(単層カーボンナノチューブ)、
2層に重なったものをDWNT(2層カーボンナノチューブ)、
もっと重なったものをMWCNT(多層カーボンナノチューブ)といいます。

長い間構造が解明されていませんでしたが、1991年に飯島澄男博士がフラーレンを作る途中に発見し、その構造が初めて証明されました。

SWNTの直径は数nm、長さは数μmのものが一般的ですが、
MWNTは直径100nm、長さ数mmに及ぶものもあります。
グラフェンの特徴である電気伝導度や熱伝導度を有しており、円柱状になったことで機械強度にも注目が集まっています。
SWNT生成の合成方法としてアーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相体積法などがあります。
SWNTの電気伝導性はグラフェンシートの巻き方によって大きく変わります。
その構造はカイラルベクトルC=(n,m)によって決まり、アームチェア型、ジグザグ型、カイラル型に分けられます。

太陽電池、キャパシタ、リチウムイオン電池、燃料電池、アクチュエーター、フレキシブル透明電極、トランジスタ、放熱シート、構造材料など様々な用途での使用が期待されています。

フラーレン

フラーレンは60個の炭素から構成される直径約1nmのサッカーボールのような球状をしており、1985年に発見され1996年にはその功績から、R.Smally博士, H.Kroto博士, R.Curl博士がノーベル化学賞を受賞しています。
C60以外にもC70やC84の炭素で構成された高次フラーレン等もあり、ナノテクノロジーのきっかけになった言われています。
それ自身の電気伝導度と熱伝導率がそれ程高くありませんが、球状の構造を活かし、金属を内包することでユニークな電気特性を示すことが知られています。

太陽電池、燃料電池、トランジスタ、診断薬など様々な用途での使用が期待されています。

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