Denatron Museum / 研究レポート
デナトロン VS 使い捨てカイロ デナトロン透明フィルムヒーター
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暦の上ではもう春ですが、まだまだ寒い日が続きますね!
寒いときの必需品といえば使い捨てカイロではないでしょうか?
今回は使い捨てカイロとデナトロンを使ってどちらが暖かくなるか比べてみたいと思います。
使い捨てカイロは、鉄と酸素が化学反応を起こし、その反応熱で暖かくなります。
一方、デナトロン透明フィルムヒーターはPETに塗布した導電膜に通電させて発熱させます。
導電性が高いフレキシブルな膜で、均一に発熱させることが可能です。
まず、デナトロン透明フィルムヒーターを作ります。
PETフィルムにデナトロンを塗布し、送風乾燥機で乾燥させます。
乾燥したフィルムの両端に銀ペーストで電極を設けます。
出来上がったフィルムに電圧をかけるとフィルム全体が発熱します。
早速、フィルムヒーターと使い捨てカイロが発熱する様子をサーモグラフィーで
観察してみましょう。
今回は
●使い捨て貼るカイロ
●デナトロンフィルムヒーターに電圧10V印加
●デナトロンフィルムヒーターに電圧20V印加
以上の3点の表面温度をサーモグラフィーで観察しました。
サーモグラフィーの画像を見てみると、使い捨てカイロは時間をかけてゆっくりと暖まっています。
また、暖まり方は不均一です。
対して、デナトロンフィルムヒーター(10V)は印加後すぐに均一に暖まり、その後、温度を維持しています。
続いて、電圧を2倍(20V)に上げると温度はさらに上昇しますが、その後、温度を維持していることがわかります。
このようにデナトロンフィルムヒーターはある一定の温度に達すると、その温度を維持するので、電圧で温度を調整することが可能です。
電源は必要になりますが、デナトロンはカイロに比べて、透明な薄膜でありながら、発熱速度と温度制御に優れていることがわかりました。
透明、軽量化、柔軟性が必要な加温・温調用途に如何でしょうか。