Story 02
掛け算がもたらしたもの
ポリマーグローバルアカウント事業
ポリマーグローバルアカウント事業
技術力×プロデュース力
九州から広げる、
サーキュラーエコノミーの輪
ポリマーグローバルアカウント事業×株式会社ニシキ
約半世紀前から、九州の地でプラスチックリサイクル業を営む株式会社ニシキ。独自の配合設計により作り出す、ヴァージンスペック(新規製造品)並みの再生材は、時代の後押しもあり高いニーズを生んでいます。西日本長瀬のポリマーグローバルアカウント事業は、そこにどんな貢献をしたのか。2者の歯に衣着せぬやりとりからは、お互いへの厚い信頼と期待が見えてきました。
- Partnerパートナー
- 株式会社ニシキ
- 1977年、佐賀県鳥栖市でプラスチック製食品容器の製造・販売会社として創業。当時からこの地区においては珍しかったリサイクル事業にも積極的に取り組み、現在は、合成樹脂事業部、電子材料事業部、食品容器事業部の3つの事業部を展開。プラスチック原料を活用した製品製造からリサイクルまで、樹脂事業におけるトータルコーディネートを行っている。
Project Member
-
園田 彰彦
西日本長瀬
ポリマーグローバルアカウント事業
事業統括 -
坂口 智亮 様
ニシキ
合成樹脂事業部
営業部部長
何だかしつこい人が来た
おふたりの関係は、どのように始まったのですか?
園田
今から10年ほど前、私が西日本長瀬に中途入社した頃に、会社としてプラスチックの販売に注力していく中で出会ったのが坂口さんでした。とある材料を探していた中でニシキさんのところに通うようになり、樹脂のイロハの部分から教えていただきました。
坂口
合成樹脂事業部はリサイクルとコンパウンドの、2つの工場を持っています。コンパウンドというのは、樹脂に固さや耐熱性などの性能を付与する工程となっており、車両関係用途のお客様を多く抱える部門で、ここで必要とする材料を西日本長瀬さんから購入していた経緯がありました。担当者が変わったタイミングで園田さんが来られたんですが、最初からしつこい人でね(笑) 普通の営業さんが気にしないようなところまで、初日から質問攻めにあいました。
園田
その節は失礼しました(笑) 今でこそ弊社のポリマーグローバルアカウント事業はひとつの事業として確立していますが、当時はまだ私ひとりでなんとか頑張らないといけなくて、必死だったんです。それで、わからないことがあれば全部坂口さんに聞いていました。
坂口
夕方に突然「今から寄って良いですか」と、よく電話してきましたよね。それで、一服しながら立ち話を始めたら、話が長いの何のって(笑) おそらく九州中を営業車で回って、福岡に戻る手前の鳥栖で、今日一日のうちに湧いてきた疑問をぶつけたかったのかな。
園田
社外の方に聞くのが、本来おかしいんですけどね……。 ニシキさんは歴史がありますし、九州エリアに根を張っていて、ものづくりを熟知してらっしゃる。我々は商社ですが、ものづくりの部分をきちんと理解していないと、お客さんと会話ができません。坂口さんは、製造経験が長くて現場をよく知っていながら、営業として私たちにもわかりやすい言葉で話していただけるんです。そんな人は当時、私の周りにはあまりいなかったので、とてもありがたい存在で。
坂口
もともと私は生産技術職で、工場で10年以上オペレーターをしていたんですが、当時の代表より突然、営業部への移動を命じられ、2008年から営業担当になりました。個人的にもこれが転機となって、仕事がどんどん楽しくなっていって。もともと自分たちが作っていた原料製品を、どんなお客様がどのように使用し、どのようなモノができあがるのかを間近に見れるという喜びが、大きかったんです。園田さんを見ていると、自分が営業に異動したての頃と重なり、苦労とその先にある喜びを思い出して、ついつい教えてあげたくなります。
園田
実際、坂口さんに聞いてわからないことはなくて。だから、安直に答えを探しに来ていたことは、否めません(笑)
坂口
ははは(笑) いつもこんなノリで、楽しく話せる関係性ですね。
現在の取引内容について、教えてください。
園田
最初は原料をこちらがニシキさんに卸している取引関係でしたが、今の主要な取引としては、ニシキさんの製造するリサイクルプラスチック製品を西日本長瀬が購入。それを、搬送用トレーを作るメーカーに販売しています。サーキュラーエコノミーの文脈の中でリサイクルプラスチックの評価が高まり、ニシキさんの品質の高さもあって、私の担当する中でもっとも大口の取引にまで成長しました。
坂口
リサイクルに関しては、今から約50年前の創業当初から取り組んでいて、技術的な蓄積があることがうちの強みになっています。素材を砕いて原料製品(ペレット)にするまではさほど難しくないのですが、再生材はどうしても集めた素材のスペックがまちまちになるため、安定した品質を作り出すのが難しいんです。私たちは、素材のデータベース化に早くから取り組んでいたことで、配合設計を確立でき、樹脂メーカーが出すようなスペックを再生材でも安定して出せるようになりました。今は時代の後押しもあって、再生材の価値を正しく理解してもらえるようになったのは嬉しいことです。
園田
確か、大手飲料メーカーの容器リサイクルも、手掛けられていましたよね?
坂口
そうです。あとは車両の使用済バンパーなども、国内メーカーを中心に当社で集約され、次のマテリアル工程へと繋がっていきます。鳥栖は九州の物流のジャンクションなので、地の利が武器になりますね。
園田
メインの取引以外にも、坂口さんのルートから原料を買わせていただいたり、うちのお客様を紹介したりと、いろいろと相談させていただいています。
坂口
無茶振りしてくるんですよ、園田さんは(笑)「あるお客様がこういうことで困ってるんだけど、解決策ありませんか」って言われて。思い当たる会社を繋いだら、そのままビジネスが始まったりもしました。
園田
リサイクルという軸であらゆる業界と繋がりがあるのも、ニシキさん独自の強みだと感じますね。
適切に配役するプロデューサーとして
西日本長瀬という会社の印象について、聞かせてください。
坂口
商社というよりは、ものづくりをわかっているプロデューサーという印象ですね。例えば腕時計を作るとなったら、文字盤部分はニシキ、外枠はこの会社、ベルトはここと、上手に配役をしてくれます。一箇所だけの話ではなく、全体の構造から話していただけるので、私たちも一緒にものづくりに取り組めるんですよね。
園田
確かに、単純に右から左ではなく、ものを作る工程まで踏み込んだ提案をするようにしていますね。
坂口
これが園田さんだけじゃなくて、例えば営業アシスタントの方でもそうなんです。西日本長瀬さんは、営業とアシスタントの方の間でもしっかりと情報共有がされていて、皆さんが前線で活躍されています。うちも見習わないとと思いますね。
園田
ありがとうございます。当社としては、これからさらにそうなるでしょうね。
坂口
おそらく、主体性を上手に持たせているんでしょうね。アシスタントの方からもぐいぐい問い合わせや交渉があるので、こちらがたじろいじゃうくらいで。園田さんが相手だったらうまく言いくるめられるんだけど、なかなかそうはいきません(笑)
西日本長瀬やNAGASEグループへの期待について、教えてください。
坂口
我々は中小企業ですし、営業社員もそんなに多くないので、動ける範囲は限られています。ですから、西日本長瀬さんが持っている国内外のネットワークをうまく活用させていただけるのが、我々としても大きなメリットです。
園田
はい、そのために私たちから提供する情報もモノも、もっともっとブラッシュアップしなきゃいけないと思っています。本当の意味でのサステナブルな取り組みをする時、一つの点だけでビジネスをしていても規模が小さく、なかなか目標に到達できません。業界の中で自分たちの立ち位置をしっかり作っていく必要がある、そんな時NAGASEグループ全体でのサポートが活きてくると思います。
坂口
NAGASEグループとして見ると、入口から出口までを任せられるのが大きいですね。我々に任せるところは任せて、あとはきちんと取りまとめてくださるので。西日本長瀬さんの提携工場のように、うちが役立てるといいなと思ってます。
園田
まさに坂口さんが言っていただいたのと、同じ気持ちです。西日本長瀬の中でもプラスチックに関する事業でいえば、ニシキさんはとても重要なパートナー企業です。より一層親密に、ビジネスができるとありがたいですね。今後ともよろしくお願いします。
坂口
最近、偉くなってあまり来てくれないけど、たまには顔みせてね(笑)
※掲載されている情報や部署名は取材当時のものです。